報酬制度の整備

 

先が見えない時代に突入し、成長期には維持できた定期昇給が維持できなくなっている
のも事実ですし、賃金は貢献度に基づき払いたいという経営者の気持ちもよく分かります。

 また一方では、若手社員の定着率の悪さが問題となっています。
 これからの中小企業の賃金管理は、時間外手当や家族手当(子供手当)等を含めた賃金が
生活できる水準になるまでは定期的に引き上げることが重要です。

 特に、若手社員の賃金は少々無理しても、先輩・後輩等の社内のバランスを考えて、コン
スタントに昇給させないと雇用を確保することが難しくなってきます。

下記の図の破線カーブは成長期の賃金カーブであり、入社から定年退職までの間で、前半
は働きより低い賃金を払うが、その分を後半にカバーする長期決済型の賃金カーブです。

 一方、実線カーブは働きに応じてその都度払う短期決済型のカーブです。この実線カーブ
の賃金であれば、若手社員の雇用確保も定年延長や雇用延長も行いやすくなります。

 

 

 

 

 

 


「生活能力なくして労働能力(能力開発)なし。労働能力(能力開発)なくして実力なし。
実力なくして成果なし。」といわれます。

 実践カーブへの修正は、生涯労働の前半が定期昇給のある能力主義(人間基準)の賃金で、
後半は成果主義の賃金で構成することで進めていきます。

 35歳~40歳くらいで賃金が必要生計費をカバーできる水準になったら、定期昇給はなく
なり、その後の賃金はその時々の実力で決まる役割・職責により決まるため上下することに
なります。

〇能力主義(人間基準)の賃金

・生活能力に対する(年齢給)

・経験能力に対する(勤続給・経験給)

・職務遂行能力に対する(職能給・職種給)

・昇格

・降給はない

・一時金

 

〇成果主義(仕事基準)の賃金

・職位に対する(職位給)

・職務に対する(職務給)

・職責に対する(職責給)

・非定型業務に対する(役割給)

・昇進

・降給もある

・業績賞与

 

 私は、仕事の見える化により整備された職能基準、行動基準を活用して、能力主義賃金と
成果主義賃金を最適に組み合わせ、配分の説明がつく報酬制度の策定を支援いたします。