「仕事の見える化」は現場の身近な改善の出発点
 「仕事の見える化」は、仕事の仕組みと流れを誰にでもわかるようにするために実施します。
 これには仕事に関する多様な情報を広く社員に公開し、全体の仕組みを理解させながら、全体最適につながる
創意工夫を促すねらいがあります。各部署で求める必要能力の見える化、工程の見える化、さらに各部署が何
かを問題にし、どう解決しようとしているかの見える化など広範囲におよびます。
 下記の「しまむら」の事例はマニュアル書という形で「仕事の見える化」を実施し、それをスキル向上や改善提
案の出発点にしています。スキル向上や改善提案の努力を全社的に「承認」し、改善提案をマニュアル書に反
映させることで更なる改善につなげていきます。
承認」の欲求に応え、動機付けを図る企業の事例
 主に低価格の婦人衣料をあつかう「しまむら」は、売上高営業利益率は、8.6%と伊勢丹の約2倍の優良企業
である。「しまむら」は店長の6割がパートタイマーで、従業員の84%パート従業員という構成である。
 「しまむら」は、パート従業員に全面的に仕事を任せ、パート従業員が行った提案内容をもとに業務を改め、マ
ニュアル書に反映させるとともに、販売や改善活動でパート従業員の能力を発揮してもらう というやり方を実施
している。
 「しまむら」の経営は、パート従業員の「能力向上」を推奨し、その努力を「承認」し、高い経営業績を生み出す
パート従業員が主役の職場づくりを行っているのである。
 パート従業員はマニュアル書を随時参照し、スキル向上に役立てている。このマニュアル書は、現場の改善提
案をもとに毎月更新され、マニュアル書の変更部分の周知徹底を図るために、マニュアル勉強会やOJTを行
う。それと並行して、パート従業員は改善提案を行い、その改善提案は取締役会で討議され、マニュアル書に
反映させるといるサイクルである。
(略)
 ちなみに改善提案は全社で月3,000件以上にのぼるという。
 より多くの利益を得ようとすれば、現場の身近な改善を繰り返し行い、よりよい店舗づくり、職場づくりを行う以
外にないのである。
             (朝日大学教授 國澤英雄 著、「現場での実践力を高めるリーダーシップ読本」より引用)
職務調査の具体的内容と手順
1.委員会が仕事を洗い出す
  仕事の洗い出し作業は、職種ごとに作成メンバーが中心となって、「その職種の主な仕事」(あまり細かな仕
 事はいいとして、主な仕事に絞って洗い出す)を書き出す作業をまず行います。
  とはいえ、いきなり「仕事を洗い出せ」といっても、なかなか出てこないものです。
  そこでまず、「仕事洗い出し表」のような様式を活用し、その職種で行っている仕事を書き出させます。「毎日
 行っている仕事」を、始業時間から就業時間まで時系列で思い出してもらいます(この時は書き方、文章表現
 はあまり気にせず、とにかく書き出させます)。次に、週・月・半年・年単位で発生する仕事を箇条書きで書いて
 いきます。
  仕事の洗い出し作業を行う場合、次の点に留意して進めることが大切です。
  @ 日常職場で使用している仕事の名称を使用すること
  A 具体的仕事はあまり細かくないこと
    〜一つの仕事単位であること→これ以上小さくなると動作(モーション)になるものにはしない
  B 実在の社員の仕事をすべて書き出すこと
  C 人員の関係上などの理由で現在は行っていないが、本来やるべきと思われる仕事も加えること
2.洗い出した仕事をまとめる
  仕事の種類の洗い出しが終了したら、同種類の仕事をまとめる作業に入ります。
  仕事の種類洗い出し表を見て、同種類の仕事をくくっていきます(課業)
  同種類の仕事のまとめ作業が終了したら、それぞれにその仕事全体を表現する名称をつけていきます。
  ここまでの作業が終了しましたら、職種ごとに実際の職場の一人ひとりにあてはめてみて、各人が担当してい
 る仕事のすべてが入っているか見直しをしてみることです。この場合、全員に自分の担当の仕事が入っている
 かを見てもらうのもいいと思います。
  また、本来やるべき仕事であるが、現在は人員の関係などで行っていない仕事があれば、それも加えてくだ
 さい。
3.課業の難易度を評価する
  課業には、必要な知識、技能の高さ(低さ)、責任の広がりの違いなどによって、難易度が異なります。
  難易度評価の基準はおおむね次表のとおりとします。
定   義
 単純定型業務
 熟練定型業務
 判断・指導業務
 企画・管理業務
4.習熟の深まり度合いの指定する
  習熟度の深まりの指定については、通常では、(援)できる、(独>独力でできる、(完)完全にできる の
 3区分で指定します。
5.課業一覧表を作成する
  課業ごとの難易度評価、習熟の深まりの指定が終わったならば、次にそれぞれの課業を職種ごとに等級
 別に整理し、とりまとめて課業一覧表とします。
 課業一覧表・課業分担表の事例 →
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